「謡」と「仕舞」の稽古をするとどんな良い事があるの?

等々、稽古をすればするほど、あなたの教養と楽しみが広がって来ます。

江戸の昔から、能の楽しみの一つが「お稽古」です。それは能楽という伝統文化を支え、次世代へとつないでいくための、豊かな行為だと言えます。

やりたいと思った時がチャンス「能に親しむ会」

檜書店では千代田区、目黒区、世田谷区の3つのお稽古場で、初心者を対象とした謡曲と仕舞のサークル「能に親しむ会」のお手伝いをしています。

一年に一回の発表会も有り、男性、女性、年令もいろいろですが、皆さん楽しんでいらっしゃいます。

能の舞台で活躍している先生に、直接親切に指導していただくチャンスです。見学もできますし、随時入会できます。全く初めての方も心配ありません。詳しい内容は以下のページでご案内していますので、通いやすい教室をお選び下さい。

「能に親しむ会」のご案内

気軽に始められる団体稽古

全国各地のカルチャー教室で謡や仕舞・狂言の講座が開催されています。数名から数十名が一緒に集団でのお稽古をします。

謡の場合ですと、他の方と一緒になって声を出してお稽古をしますし、椅子に座って行なうことが多いので気軽に始めることが出来ます。

お稽古日やお月謝が各カルチャー教室のパンフレットに載っています。日程や予算の都合に応じてどこで習うかを決めましょう。

各教室ごとに発表会がありますが、それとは別に、先生個人の発表会に出られることもあります。

公益社団法人 能楽協会のサイトには、地域や習いたい内容を指定してお稽古場を検索するサービスがありますので、通いやすいところを探してみましょう。

能楽協会 稽古場サーチ

先生と一対一の指導が魅力個人稽古

先生について個人指導を受ける場合は、一対一で技量に合わせた指導を受けることが出来ます。

お月謝は団体稽古に比べて、多少余計に負担する事が多く、入門に際して入門料を納める場合があります。

個人稽古では、単に謡や仕舞などを習うだけでなく、先生と弟子との心の交流がなされるところが魅力です。表面的なつきあいが多い今日にあって、貴重な経験と言えるでしょう。

発表会が年に数回あり、上達すれば、憧れのお舞台に立つ事ができます。

一般財団法人観世文庫と一般社団法人観世会が共同で運営するホームページkanze.netでは、全国の観世会所属能楽師のプロフィールや、お稽古場を紹介しています。

原則として、いったん入門したら、その先生に一生習うつもりでお稽古をすすめる事になります。事前に見学や発表会を観に行くなどして、お稽古場とその会の雰囲気を知っておきましょう。

kanze.net

お稽古に必要な道具

謡のお稽古では「謡本」が、仕舞のお稽古では「お扇子」と「足袋」が必要です。

謡本(うたいぼん)

謡本は通常、曲目ごとに一曲で一冊になっている謡本(一冊本)を使ってお稽古をします。

観世流では特に初心者向けに五曲を一冊にした謡本「初心謡本上・中・下」があり、習い始めはこれを使う事が多いです。

謡本は各流儀とも昔ながらの「和綴じ本」で出来ています。これは和紙を袋綴じにして糸で製本したもので、お稽古の際には卓上で開きやすく先生の指示なども書き込み易い大変すぐれた製本形態です。

また、和紙は洋紙に比べて長期の保存に適していて、百年以上経過している謡本でも本文と朱書きが鮮明に読めるものが多数あります。

観世流 謡本 金剛流 謡本

お扇子(せんす)

流儀によって扇面の模様や扇骨が異なります。

観世流では一尺一寸の長さの扇子を使う事が多いですが、素謡では九寸の短めの扇でも構いません。

種類は6,000円前後の丁子三段水巻から、扇面が職人の手描きによる数万円の扇子まで多数ありますが、お稽古を始める際には丁子三段水巻程度の物で充分でしょう。お稽古が進めば、発表会の際などに先生に相談して揃えていかれるのが良いかと思います。

お扇子の一覧

足袋(たび)

お仕舞の際に欠かせないのが白足袋です。お稽古の際には畳の部屋でも板張りでも白足袋を履きます。

能は歩行舞踏ですから足元をしっかり固定することが必要です。

普段のお稽古は着物でも洋服でも構いませんが、必ず足袋は着用するようにしましょう。

普段お使いの白足袋があればそれでも結構ですが、発表会の際などはネル裏のしっかりした作りの能楽用足袋をお薦め致します。

足袋の一覧